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プロフィール3 DV期

更新日:2021年1月28日



大学卒業を控え、就職活動をしていたころ

ある男と知り合いました。

その男は一見、優しそうで、気さくな感じがし、

それでいて影のある感じがし、気になりました。

私は軽い気持ちで付き合い始めました。

まもなく、私は男から、悲しい生い立ちを聞かされました。

両親は幼いころ離婚し、母に引き取られたのですが、

母は、時々部屋に知らない男を連れ込んで、息子のいるところで

あられもない姿になっていたそうです。

良くない仲間と付き合うようになり、高校には行っていない。

でも、今はしっかり生きていこうと思っている、と言いました。

私は、少し応援したくなりました。

しかし、まもなく、男は私への執着が異常に激しくなりました。

そして、私を男の部屋に住まわせるため、脅しました。

「家を出なかったら、一家皆殺しにするぞ」

怖くてたまりませんでした。

両親には言えませんでした。

言ったら、きっと、私を守ろうとするに違いないのです。

そしたら男は、なにをするか分かりません。

男は、そんな殺気を感じさせていました。

私は、人生が転落していくように感じながら、家を出ました。

やがて、男は、私にお金の無心をするようになりました。

働かず、毎日ギャンブルをしていました。

お金がなくなると、仕事をしている私に無心の電話をしてきました。

仕事中だから、というと「どうなるか分かっているのか?会社行くぞ」

と脅しました。

ビルの前で私を監視していることもありました。

会社の同僚からは、怪訝な目で見られました。

しかし、普段は「真面目に働いて、幸せにするから」ということも

あるのでした。

こんな繰り返しで、私には300万の借金が出来ました。

何度も逃げたいと思いましたが、両親に害が及ぶことが

怖くて逃げられませんでした。

男の脅しは、ただの脅しの言葉ではなく、

いつも、なにかに獲り憑かれたかのように目が変わり、

背後にはただならぬ気配、

狂気や殺気を感じる黒いものが感じられました。

境界性パーソナリティー障害です。


いつしか、私は、人生をあきらめていました。

人並の暮らしも、幸せも、平和も。

男が死んでくれれば、と願いました。

神様に助けを求めました。

自暴自棄になりました。

家を出て、1年たった1月の朝、電気も水道もガスも止められ、

暖房もつけられず、私は寒くて服を着たまま布団にもぐっていました。

このまま死んでいくんだなぁ、と思っていました。

突然、玄関のチャイムがなり男がドアを開けると、

ドカドカと土足で入ってくる数人の靴音が聞こえました。

「警察だ。○○だな。逮捕する」と一人の声がしたかと思うと、

すぐに男を連れて行きました。

残った刑事が、布団の中の私に声をかけました。

私は、なにが起こったのか分からず、茫然としていたことと思います。

「大丈夫?驚いたでしょう。あいつ、指名手配されていたんだ」

と逮捕に至った経緯を話してくれました。

私が会社で使っていた車のナンバーと、同じ数字の車が

当て逃げをしていて、その車を探していたら偶然、男にたどり着いた

という奇跡のような経緯でした。

「それにしても、酷い目に遭ったね。あんた、あいつ殺さなくて良かったよ」

私は、助かった安心から、涙が止まりませんでした。

「後日、事情聴取があるけど、今日は家に帰ってゆっくりしなさい」

家へ帰る道を歩きながら、私は神様に助けていただいたと思いました。


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