みなさんは「引き寄せの法則」というのを、耳にされたことがあると思います。
もしかしたら、よくご存じかもしれません。
＊自分がイメージしているものを引き寄せる
＊願いが叶った自分になりきって感謝すると良い
＊似た者同士が集まる（類は友を呼ぶ）
など、引き寄せについての本を読むといろいろ書かれています。
引き寄せの法則＝波動の法則です。
自分が発しているエネルギーに共振共鳴した似たエネルギーが集まるという
エネルギーの性質を利用して、手にしたい現実を得ようという意図の本が沢山出ていますね。
人生を変えたい人が沢山いるというこのなのでしょう。
その気持ちは痛いほど分かります。
私も、過去にはしっかりと「引き寄せ」にはまりました。
引き寄せというと、なにか特別なもののように感じますが、
みなさんもご存じの通り、私たちの思考、感情はエネルギー、身体も分子＝エネルギーの集まりなので、この法則が適応されているのは当たり前といえば当たり前のことですね。
（現実創造についてはとても深い話なので、深い部分は機会があればまたその時に）
また、世の中にはこの法則を知っていなくても
無自覚にこの方法で自己実現している人々がたくさんいます。
そこで、もう一つ、現実創造について大事な法則があります。
それは「境界線の法則」です。
境界線＝バウンダリーとは、自分と他者を分けるものです。
そして他者だけではなく、自分の内側にも境界線をひく必要があります。
それにより、責任の所在を明確にでき、自分が引き受けるべき結果を引き受けること
が出来るようになります。
つまり、境界線の法則とは、自分の人生の舵取りをする法則といえます。
しかし「境界線を引く」ことが曖昧だったり、健全な境界線が引けないと思考と感情は安定せず、コントロールすることができません。
するとどうなるかというと、自分の責任を引き受けることが出来ないために、人生の舵取りがうまくいかなかったり、他の人の考えや感情に影響されるので自分のエネルギーが定まらず、手にしたいものを引き寄せるだけのエネルギーを維持する
ことが出来なくなってしまいます。
特に感情エネルギーは、創造のカギを握っていると言われていますから、
自分の感情に責任を持つためにも境界線はとても大切です。
今日は、この境界線の問題がどのように引き寄せに関わっているのか、
具体的な例でお話してみます。（実在のクライアントさんではありません）
例
クライアントAさんは、以前からお金の問題を抱えていました。
１０年前は買い物をしたり、押しの強い店員を断れず高価な物を買ってしまい、
借金が３００万円ありました。
支払いが大変で、支払うためにまた借金をするという行為を繰り返しました。
それを見るに見かねた親が返済を肩代わりしてくれ、もとの生活に戻れました。
しかし、最近、生活費が足りなくなり、また借金を重ねてしまっています。
今度は親にも人生の連れ合いにも言えません。
悩んでいるところに「引き寄せの法則」を知り、藁にもすがる思いで実践してみました。
「私にはお金が沢山ある。とても豊かだ。この豊かさに感謝します」といつも言い、
その自分をイメージしていました。
しかし、借金は膨らむばかりで、引き寄せのための感謝の言葉も心からとは
思えなくなってしまいました。
Aさんは「引き寄せがうまくいかないのはなぜだろう」と悩んでいます。
この場合、お金を引き寄せられなかったのが問題ではなく、最初から、支払い能力を超えて買い物をしてしまうということが問題です。
「お金が沢山あれば良い」のではなく、
「自分の限度を知る」
「自分にNOと言う」
「迷惑な店員にはNOと言う」
「引き寄せるのではなく、まず自分が稼ぐ」（誰かが助けてくれるだろうという安易な期待や依存心は捨てる）
「自分の責任であることを認め、連れ合いに相談する」
という力が必要だったのです。
言い換えると「他者へのNO」（他者への境界線）、「自制と自律」（自分の内側の境界線）です。
この例では、１０年前に親が助けてくれたという体験が「買い物しすぎてもなんとかなる」という考えに結びついているので、更に安易に考えていますね。もしかすると、買い物依存は、Aさんの無意識の欲求を満たすための行為かもしれませんから、そこも向き合う必要がありそうです。
このように、境界線が引けずに問題が起こり、それを引き寄せの法則で解決しようとしても
うまくはいきません。
健全な境界線が引けるということは、自分や自分の人生に責任を持つということであり、
それは自分にとって良いものを引き寄せることに繋がります。
ですから、
境界線を引き、自分を正直に見つめ、
自分の思考と感情を整え、波動を高く維持する➡高い波動の人、出来事を引き寄せる
ことを心がけていきたいものですね。
次回は、別の例でお話してみたいと思います。
北海道 美瑛町