top of page

境界線(バウンダリー)という大原則3

更新日:2023年5月21日


境界線とはどういうものか


「他者に対する責任」と「自分に関する責任」


私たちは、他者との関わりの中で生きているので、他者に対して責任を負います。

また、「私」という一人の存在として生きているので、自分に関して責任を負います。


一人で負うには重すぎる荷物を抱えて苦しんでいる人、助けを求めている人に対して、

私たちが手を差し伸べることが出来るなら、手を差し伸べなければなりません。

これが、他者に対して責任を負うということです。

(恐れからくる自己犠牲とは違います)


また、自分自身にしか負うことの出来ない荷物を背負う責任があります。

(境界線の内側にあるすべてのもの。思考や感情、行動、態度など)

これらのものに関して、私たちは日々責任をもっていかなければなりません。

これが、自分に関して責任を持つということです。


重すぎる荷物を抱え続けたり、無責任になってしまわないように「私」と「他者」を判断することは、とても重要です。


境界線は柔軟


境界線は、あなたを守るものです。

あなたを養うものは内側へ、害になるものは外に締め出すことが出来ます。

しかし、境界線は壁ではありません。

境界線の内側にある害になるものを外に出し、外側にある良いものを中へいれることが

出来るように柔軟で、浸透性があり、なおかつある程度の強度があるものでなければなりません。



様々な境界線の例


私たちを他者から区別するものは、色々あります。

皮膚

あなたを定義する一番基本的な境界線は、あなたの皮膚です。

この身体的境界こそ、あなたが自分を他者と区別するものとして、生まれてから最初に学ぶものです。

そして、皮膚という境界線は、あなたの血や内臓や骨を守り内側に収め、細菌が侵入しないようにあなたを守ります。同時に皮膚は食物のような善いものは中に入れ、老廃物のような悪いものは外に出します。

言葉

境界線を引くのに最も基本的な言葉は「いいえ」「いや」「ノー」です。

この言葉は、あなたが他者から分離した存在であり、あなたを管理するのはあなたである

ことを表明します。他者は、あなたの言葉によってあなたの立場や、あなたとの関係においての「決まりごと」を知り、あなたの輪郭を把握します。

明確な境界線を持たない人々は、他者からの支配、プレッシャー、要求、真のニーズに対して、「ノー」と言うことが困難です。「ノー」というと、相手との関係が損なわれてしまうのではいかと感じます。そこで消極的に応じるのですが、内心恨みがましく思っています。

物理的な距離

ある状況から物理的に離れることが、境界線保持に役立つことがあります。

身体的、感情的に限界まで頑張った後、休息のためにいったんその状況から離れたり、

あなたを傷つけたり虐げられたりする相手から離れることは良いことです。

時間

生活の中で手に負えなくなってしまった部分は、境界線を引いてもう一度所有権を取り戻す必要があります。人やプロジェクトからしばらく時間をとって離れることは、その方法の一つです。

感情的な距離

感情的に距離をおくことは、あなたの心に避難場所を与える一時的な境界線です。

傷や失望に自らをさらし続けるべきではありません。

虐待傾向にある人、依存症の人に対して、本当の変化がないまま心を許し続けるのは愚かなことだと言えます。

他の人々

境界線を設定し、それを守るためには、第三者からの援助に頼る必要があります。

相手の依存や支配、虐待にさらされている人たちは「受け身」でいることに慣れているため、境界線を引こうにも援助者の助けなしにはなかなか難しいのが実情です。

援助者が必要な理由は2つあります。

第一に、境界線をひこうとすれば相手が去っていき、一人ぼっちになってしまうという恐れから、虐待を容認してしまうひとが大勢います。しかし、援助者からの助けを受け境界線を引くとき、虐待する人だけが愛の源ではないことに気が付きます。

第二に、私たちには、新しい情報と教えが必要です。

変化することへの罪悪感や、古い観念、考えに対抗するためにサポートが必要です。

境界線は、孤立状態の中で築くものではありません。

結果

他人の所有地に不法侵入すれば罰せられます。

私たちの境界線も、それを越えたときにどのような結果が起きるのかをはっきりさせておく必要があります。そして、それを最後まで遂行することが大切です。

結果は、境界線に適度な「トゲ」を与えます。トゲがあることで人々は境界線侵入が深刻な違反であり、私たちが本気で自分を尊重していることを知ります。



境界線というものについて、少しイメージが湧いてきたでしょうか?

次回は、境界線の内側にはなにがあるのか、を書いてみたいと思います。


               沖縄の海 ハナミノカサゴ

最新記事

すべて表示
bottom of page